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ハンコの選び方&印鑑の基礎知識(後編)

〈2020.10.5〉

ハンコを作る材質には、アカネ、黒水牛、チタン、合成樹脂など、さまざまなものがあります。また印面用の書体にも、たくさんの種類があります。

「いったいどれを選べばいいのかさっぱり分からない!」とお思いの方は多いのではないでしょうか?

ここではそういった方に向けて、ハンコに用いられる各種素材の特徴、書体の特徴について詳しくご紹介していきたいと思います。

最もポピュラーな印材「アカネ」

アカネは木を使ったハンコの中で、最もポピュラーな印材のひとつです。見た目は高級印材の柘(つげ)によく似ており、一時期はシャム柘などと呼ばれて市場に出回ることもありました。シャムというのはタイの一地方の名前で、シャムから輸入した柘という意味です。

しかし、実際は市場に出回っていたシャム柘の全てがタイ(シャム)から輸入されたものとは限りませんでした。また、シャム柘自体が本物の柘とは別の植物である可能性が高いことから、2004年9月1日以降、「公正競争規約」に基いて、消費者が原産地を誤認しないよう、シャム柘はアカネという名称に変更されました。

本物の柘に比べて、価格が大変お手頃であることのアカネの特徴のひとつです。

「アカネ」のお手入れ&保管方法は?

アカネは天然の木なので、朱肉の油などが染み込んでしまうと、傷んで印面が脆くなってしまいます。そのため使用後は、必ず柔らかい布やティッシュなどで印面に残った朱肉を拭き取りましょう。

また保管に際しては、湿度が低く直射日光の当たらない場所で、きちんとケースに入れて保管することをオススメします。ハンコの販売店や販売サイトの中には、印鑑ケースが別売りになっているお店も結構あるようです。しかし、デリケートな印材で作ったハンコをケースもなしにそのまま納品されても、ユーザーとしては困ってしまいますよね…。

ハンコ購入時は、そのハンコに印鑑ケースが付いているかどうかも、しっかりと確認しておくと良いでしょう。

ちなみに名入れ工房でハンコをご注文いただく場合は、すべての商品にケースが付属していますのでご安心を。

印影が明瞭で美しい黒水牛

黒水牛は水牛の角が原材料となっている印材です。印面が朱肉に馴染みやすく、押印した際の印影が明瞭で美しいのが特徴です。

見た目に高級感があり、耐久性にも優れているので、実印・銀行印など重要な用途に適した印材だと言えるでしょう。

黒水牛の角の中でも「芯持ち」と言われる角の中心部分は、一本の角から数本しか採取できないことから非常に貴重な素材です。

黒水牛のハンコはほとんどが芯持ちです。芯が通っていない部分は印材ではなく、ボタン、箸置き、工芸品、漢方薬の材料などに使用されることが多いそうです。

黒水牛のハンコのお手入れ&保管方法は?

黒水牛は乾燥に非常に弱い印材です。よって、乾燥しやすい冬場などは、特にきちんとお手入れしてあげることが重要です。椿油などを定期的に軽く塗ると、乾燥によるひび割れ防止効果があるのでオススメですよ。また保管する場合は、きちんと印鑑ケースに入れて保管してあげてください。保管状態が悪いと乾燥によるヒビ割れや変形が起きる可能性があります。

「アカネ」同様、朱肉の油が染み込んでしまうと、印面が脆くなり、欠けなどの原因になるので、使用後は必ず柔らかい布やティッシュなどで印面を拭くようにしましょう。

耐久性・耐熱性・耐食性に優れたチタン

チタンは潜水艦、宇宙船、航空機などの材料としても使用される、非常に強くて軽い金属です。耐久性・耐熱性・耐食性に優れ、人体へのアレルギーもほとんど起きることがありません。

よってチタン製のハンコは、購入後のメンテナンスがほぼ不要です。熱や乾燥で変形することも、錆びることもなく、欠けなどの破損の可能性もほぼありません。

木や角、牙を印材として用いたハンコの場合、長い年月を経るとどうしても変形やひび割れなどが起こることがあります。自然素材ですから、時の流れと共にある程度劣化していくのは仕方がないことです。(むしろ経年変化があるからこそ良い、という愛好家もいます)

しかし、チタンの場合は何年使っても印面が劣化することはありません。

その分、加工が難しく、価格の面で他の印材に比べると比較的割高にはなってしまいますが、希少性や耐久性を考えればコストパフォーマンス的に悪くはありません。

合成樹脂を印材に用いたハンコ

アクリル・ポリエステル・プラスチックといった合成樹脂を印材として用いたハンコも近年ではたくさん発売されています。

合成樹脂のハンコには、乾燥による変形は起こりません。ただし高温になると変形してしまうものもあるので、保管場所にはある程度の注意が必要です。温度が60°を超えるような真夏の車内などにおきっぱなしにする、というような保管の仕方はやめた方が良いでしょう。

ちなみに一昔前までは、合成樹脂のハンコには希少性がなく、安価なものというイメージがありました。しかし最近では、合成樹脂ならではの華やかなデザインをあしらったハンコが多く登場し、人気を博しています。

和柄が美しい「和ざいく(なごみざいく)」などは、特に女性に人気のある合成樹脂製のハンコです。

なお、合成樹脂のハンコは、衝撃を与えると印面が欠けてしまう場合などがあります。取り扱いは丁寧に行いましょう。

印鑑の書体はどうやって決めたらいいの?

印鑑の書体には、「篆書体」や「吉相体」「古印体」「楷書体」などさまざまな書体があります。

一体どの書体を選ぶのが正解なのか? と迷われる方も多いですよね。そこで、ここでは各書体について、簡単にご説明をさせていただきたいと思います。

篆書体(てんしょたい)

篆書体は、紀元前の中国で生まれた非常に古い文字と言われていますが、私たち日本人にも比較的、目に馴染みのある書体です。

身近なところで言うと、パスポートや日本銀行から発行されれている紙幣に押されている「総裁之印」、「発券局長」などが篆書体です。可読性が低く偽造されにくいので、実印・銀行印などの重要なハンコに最適な書体です。

吉相体(きっそうたい)

吉相体は、パッと見た感じ非常に複雑で読みにくく、さぞや古くからある書体なのだろうと思いきや、実は戦後に生まれた比較的新しい書体です。篆書体をベースに意匠化したものが吉相体です。

篆書体と同じく可読性が低いので、偽造されにくく、実印や銀行印に適した書体です。

古印体と楷書体

古印体と楷書体は、どちらも可読性が高いため、認印に適した書体です。ハンコは何でも可読性が低ければ良いというわけではありません。

「回覧板を読みました」「荷物を受け取りました」といった証明をする際、誰が押したハンコか分からなければ意味がありませんよね。そんなわけで、認印として使うハンコには読みやすい書体を使うのがオススメです。