【記念品よもやま話】みんながシャチハタって呼ぶハンコの正式名称、知ってますか?
〈2020.10.9〉
世間には、正式名称より通称のほうが定着してしまったものって、案外たくさんありますよね。
たとえば「コロコロ」。カーペットのゴミを取るだけじゃなく、洋服についたペットの毛を取る時なんかにも便利な、あの「コロコロ」は、正式名称を「粘着カーペットクリーナー」というそうです。
なんと元は掃除用のアイテムではなく、「ゴ」の付くあの虫の捕獲用アイテムだったそうですよ。しかし全く売れず、社員さんが売れ残った在庫で洋服に付いたごみを取っているのを見て、掃除用品として売り出してみたらヒットしたのだとか。
また、「切手」の正式名称は「切符手形」、「軍手」は「軍用手袋」など、今となっては正式名称のほうで言われても逆に意味が分からない! というような言葉もあります。
一般に「シャチハタ」と呼ばれているスタンプタイプのハンコも、実はそのひとつ。今回はこの「シャチハタ」についてのよもやま話をお届けしたいと思います。
シャチハタの正式名称は「浸透印」
一般的に「シャチハタ」は、スタンプ台や朱肉なしで押すことができるハンコの総称として知られています。しかしこのシャチハタ、本来の名称は「浸透印」というんです。「インク浸透印」「インキ浸透印」と呼ばれることもあります。
「浸透印」=「シャチハタ」で定着してしまった経緯は?
1965年、シャチハタが販売した浸透印 「Xスタンパー」が大ヒットしました。しかし、なぜか「Xスタンパー」という商品名ではなく「シャチハタ」の社名のほうが世間に浸透してしまい、浸透印の総称として定着してしまったそうです。
結果、実際はシャチハタ株式会社が販売しているわけではない浸透印(サンビーや三菱鉛筆などからも浸透印は発売されています)でも、シャチハタと呼ばれているのですから、一度根付いた通称の定着力はスゴイですね。
今や「浸透印」と言ってその意味が通じるのは、ハンコ業界の人ぐらいではないでしょうか(笑)
浸透印は公文書には使えないのでご注意
ちなみに、長期間保存することを前提にした書類や公文書には、浸透印は使えないことが多いので注意が必要です。
理由は、浸透印だと印影が安定せず、後から本人が押したものかどうかの確認が取りにくいため。
ゴム製のハンコは、押した時の力の強さやインクのにじみ具合によって、印影が変わってしまいがちです。押すたびに陰影が変わってしまうのでは、公式文書に使えないのも仕方がないですね。
ちなみに、ゴム印の耐用年数は保管環境にもよりますが、7~10年と言われています。浸透印の耐用年数も同じぐらいと考えてよいでしょう。
ついでにシャチハタにまつわる、よもやま話その2
ここまで散々「シャチハタ」「シャチハタ」と記述してきて恐縮ですが、実は「シャチハタ株式会社」の正式名称は「シヤチハタ株式会社」です。
小さい「ャ」ではなく「ヤ」。
読み方は「シャチハタ(shachihata)」なんですが、書くときは「シヤチハタ」だそうです。
なぜなんだろう…?
ただ、インターネットではやはり「シャチハタ」と検索されることが多いので、Amazonや楽天をはじめとするシャチハタ商品を扱っている多くのネットショップは、メーカー名を「シャチハタ」と記載しています。
実は名入れ工房でも「シャチハタ」と「シヤチハタ」、どちらで記載するべきかを社内で議論したことがあります。
結果、どちらで記載しているのか? そして本家本元のホームページではどのように記載されているのか!?
よろしければ、確認してみてくださいね。
ではでは、記念品にまつわるよもやま話、今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!(^^)